真面目に仕事をしているのに、なぜか評価されない。
一方で、自分より仕事をしていないように見える人が、上司から「頑張っている」と評価されている。
そんな状況を見て、
「なぜ、あの人の方が評価されるんだろう」と不満を抱いたことはないでしょうか。
僕も以前、仕事が進んでいないように見える上司が昇進候補になり、仕事を任せにくい部下が「頑張っている」と評価される姿を見て、会社の評価制度に強い不信感を抱きました。
今でも、その評価すべてに納得しているわけではありません。
ただ、その経験から一つ気づいたことがあります。
評価者は、職場で行われている仕事のすべてを見ているわけではありません。
どれだけ真面目に働いていても、自分の成果や貢献が伝わっていなければ、評価の材料になりにくいのです。
この記事では、会社の評価に不満を抱いた僕の経験をもとに、仕事の成果を正しく伝える方法を紹介します。
仕事を頑張っても評価されないと感じていた

僕の会社では、毎年2回、ボーナスの時期に面談があります。
いわゆる「賞与面談」で、上司から仕事の評価を伝えられる場です。その評価によって、ボーナスの金額も変わります。
僕は、仕事には全力で取り組んでいるつもりでした。
会社のこと、所属する部署のこと、一緒に働くメンバーのことを考えながら、日々の仕事に向き合っていました。
それでも、評価には納得できないことがありました。
特に忘れられないのが、ある上司と部下に対する評価です。
仕事が進んでいない上司が、昇進候補になった
その上司は、僕が中途社員として入社したときからお世話になっていた人です。
右も左も分からなかった僕に、仕事の基礎を教えてくれました。
その後、上司は別の職場へ異動しましたが、3年ほどたってから再び同じ職場へ戻ってきました。
ところが、一緒に働き始めると、以前とは印象が違いました。
「対応する」と言っていた仕事がなかなか進まず、期限のある資料を直前になってから別の人へ依頼することもありました。
僕は毎日のように指摘を受ける一方で、上司自身が引き受けた仕事は進んでいないように見えます。
正直に言えば、かなり不満を感じていました。
そんなある日、上司が熱心に資料を作っていました。
聞いてみると、昇進試験の準備だといいます。
「この人が、昇進するのか」
僕は驚きました。
同時に、
「この会社では、実際の仕事ぶりだけで評価が決まるわけではないのかもしれない」
と感じました。
もちろん、僕が知らない仕事や実績があった可能性はあります。評価者が何を見て昇進候補にしたのか、そのすべてを僕が知っていたわけでもありません。
それでも、当時の僕には納得できませんでした。
勤続年数や上司との関係が、実際の仕事ぶりよりも重視されているように感じ、会社への不信感が強くなっていったのです。
仕事を任せにくい部下が「頑張っている」と評価された
もう一つ、忘れられないのが部下の評価です。僕には、年上の部下がいます。
もともとは別の業務を担当していましたが、組織の将来を考え、僕が担当していた仕事を引き継ぐことになりました。
僕にとっても、これはステップアップの機会でした。
今の仕事を部下へ任せられれば、僕はさらに責任のある仕事へ進める。昇進にも近づけるかもしれない。
そう考え、仕事を一つずつ教えていきました。
しかし、引き継ぎは思うように進みませんでした。
連絡したメールへの返信がない。依頼した業務の進捗も分からない。社内で打ち合わせをしようとしても、外出していて不在ということが続きました。
社外へ出なくても調整できる用件で外出することも多く、引き継ぎの時間をなかなか確保できませんでした。
取引先から届いたメールが、数日間対応されていないこともありました。
先方から、
「あの件は、どうなりましたか?」と再度連絡が来て、ようやく対応を始める状態です。
このままでは、いつか大きな問題になるかもしれない。
そう感じた僕は、仕事を安心して任せられませんでした。
また、引き継いだ業務はまだ一部だったにもかかわらず、残業が長く続いていました。
何の作業が残っているのか、なぜ残業が必要なのかも共有されていません。
そんな状況のなか、上司が部下へこう話しているのを聞きました。
「バタバタしているけど、頑張っているじゃないか。次の等級を目指してみたらどうだ?」
僕は耳を疑いました。
(頑張っているように見えるのか・・・)
僕から見えていた働き方と、上司から見えていた働き方が、あまりにも違っていたからです。
その瞬間、僕の会社に対する不満は、さらに大きくなりました。
会社の評価は「実際にした仕事」だけでは決まらない

上司と部下に対する評価を見て、僕は思いました。
「会社の評価は、実際にした仕事だけでは決まらないんだな」
僕の席から見えている景色と、評価者である上司から見えている景色は違います。
誰の仕事が止まっているのか。
誰が期限直前になって仕事を人へ渡しているのか。
誰が本当に必要な業務をしているのか。
現場にいる僕には見えていても、上司には見えていないことがあります。
反対に、上司の目に入りやすい仕事もあります。
忙しそうに動き回る。
長時間会社にいる。
頻繁に電話をする。
上司と直接話す。
こうした姿は、実際の成果とは別に、
・よく動いている
・忙しそうにしている
・頑張っている
という印象につながることがあります。
僕は、仕事はできるだけ成果で判断されるべきだと考えています。
どれだけ売上や利益に貢献したのか。どれだけコストを削減したのか。作業時間をどのくらい短縮したのか。
もちろん、数字だけでは測れない貢献もあります。
「あの人がいたから、プロジェクトを完了できた」
「あの人のおかげで、職場の雰囲気がよくなった」
このような、人間関係やチームへの貢献も大切です。
しかし、実際の成果や周囲への貢献が見えないまま、忙しそうな印象だけで評価が決まっているように感じると、納得できない人も多いでしょう。
僕も、
「自分の方が職場に貢献しているはずなのに、なぜ評価されないのだろう」
と考えていました。
そして、「会社の評価制度そのものがおかしいのではないか」と疑うようになっていたのです。
忙しそうに見える人が「頑張っている」と評価される理由

なぜ、その部下は上司から「頑張っている」と評価されたのでしょうか。
しばらく働き方を見ていると、いくつかの特徴があることに気づきました。
上司の目に入りやすい行動が多かった
部下は、長時間会社に残っていました。
社内でも頻繁に動き回り、電話で話している時間も長いため、傍から見ると忙しそうに見えます。
メールで済ませられそうな内容でも電話を使い、可能であれば直接相手と話します。
そのため、上司の目に触れる機会や、誰かと会話する機会が多くなっていました。
僕は以前、その仕事を担当していました。
そのため、現在任せている業務量であれば、毎日長時間の残業が必要になるとは考えにくいことも分かっていました。
しかし、仕事の内容を細かく知らない上司からすれば、
・長時間残っている
・頻繁に動いている
・ずっと誰かと話している
という姿は、「頑張っている人」に見えたのかもしれません。
僕は仕事を淡々と終わらせていた
一方で、僕は目の前の仕事を淡々と進めるタイプです。
一度に複数の仕事を広げすぎず、一つの仕事を終わらせるか、区切りのよいところまで進めてから、次の仕事へ移ります。
仕事を始める前には、
・この仕事は何時間かかりそうか
・何時までに終わらせるか。
と目標時間を決めています。
15分以内で終わる仕事であれば、できるだけその場で対応します。
報告も簡単でした。
「〇〇の件は完了しました。資料を送ります」
この程度のメールを送り、すぐ次の仕事へ移ります。
必要なコミュニケーションは取りますが、忙しそうに振る舞ったり、必要以上に動き回ったりはしません。
自分では、それが普通の働き方だと思っていました。
しかし、評価も「普通」でした。
特別に「頑張っているな」と声をかけられるわけでもありません。
ただ淡々と、仕事を終わらせていたのです。
評価者は、職場のすべてを見ているわけではない

部下の働き方を見ながら、僕はずっと、「なぜ、この人が評価されるのだろう・・・」と不満を感じていました。
しかし、自分の仕事の仕方を振り返ると、一つの事実に気づきました。
評価者は、職場で起きているすべてを見ているわけではありません。
誰がどの仕事を終わらせたのか。
誰が問題を未然に防いだのか。
誰が作業を効率化し、周囲の負担を減らしたのか。
現場にいる人には見えていても、評価する上司には見えていないことがあります。
僕自身も、問題が起きる前に対応したことや、作業を改善して時間を短縮したことを、「仕事なのだから、やって当然だ」と考え、ほとんど報告していませんでした。
作業が終われば「完了しました」とだけ伝え、次の仕事へ進みます。
しかし、それだけでは、
- どのような問題があったのか
- 自分がどのように対応したのか
- 対応したことで何が変わったのか
- 職場へどのような効果があったのか
までは伝わりません。
自分では会社や職場に貢献しているつもりでも、その事実が評価者へ伝わっていなければ、評価の材料にはなりにくいのです。
必要なのは、忙しそうに見せることではありません。
実際に行った仕事や成果を、評価者が判断できる形で正しく伝えることです。
評価されるために、仕事の成果を「見える形」にする3つの方法

ここからは、仕事の成果を見える形にする方法を紹介します。
僕が意識したいと考えているのは、次の3つです。
1.終わった仕事だけでなく、起きた変化を伝える
業務の完了報告で、
「完了しました」「改善しました」とだけ伝えていないでしょうか。
これでは、改善前と改善後で何が変わったのかが分かりません。
例えば、
「作業手順を変更し、1日あたりの作業時間を30分短縮しました」
と伝えます。
重要なのは、「何をしたか」だけでなく、その結果、何が変わったのかまで伝えることです。
短縮した時間、減った作業量、削減できたコストなど、数字を使える場合は数字も添えます。
仕事の成果を数字で伝える方法については、前の記事「仕事が伝わる人は数字で話す|人員不足を説明できなかった僕が学んだこと」でも詳しく紹介しています。
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2.問題が起きる前に対応したことも記録する
トラブルを未然に防ぐ仕事は、評価されにくい面があります。
対応がうまくいけば、何も起きないからです。
結果だけを見れば、「今日も特に問題はなかった」で終わってしまいます。
しかし、本当は誰かが事前に問題へ気づき、対応したから何も起きなかったのかもしれません。
例えば、次のように報告します。
「納期が遅れる可能性があったため、前日に関係部署へ連絡し、作業の順番を変更しました。その結果、予定どおり出荷できました」
「何も起きなかった」のではありません。
自分が対応したから、問題が起きなかったと見える形にするのです。
3.面談まで記憶に頼らず、日頃から記録する
半年分の仕事を、面談直前になってから思い出すのは簡単ではありません。
日頃から、次のような内容を記録しておくと役立ちます。
- 改善したこと
- 解決した問題
- 未然に防いだトラブル
- 周囲から感謝されたこと
- 数字で変化が出たこと
- 新しく担当した仕事
大げさな資料を作る必要はありません。
メモ帳やスプレッドシートへ、日付と内容を簡単に記録するだけでも十分です。
記録があれば、面談でも「頑張りました」という感覚的な説明ではなく、事実をもとに話せます。
自分の仕事が、どこで会社や職場へ貢献したのかを正しく伝えられれば、評価者の見え方も変わるかもしれません。
成果を伝えることは、媚びることではない

ここまで読んで、「結局、上司に気に入られるように自分を売り込めということか」と感じた人もいるかもしれません。
しかし、僕が伝えたいのは、上司へ媚びることではありません。
媚びるとは、上司の機嫌を取るために必要以上に持ち上げたり、自分の意見を曲げて何でも賛成したりすることです。
今回紹介しているのは、普段行っている仕事の報告方法を変えることです。
やっている仕事そのものを変える必要はありません。
例えば、黙って作業を終わらせるのではなく、
「予定していた作業は完了しました。手順を見直したことで、昨日より30分早く終えられました」
と報告します。
問題を一人で抱え込むのではなく、
「現在、予定より1時間遅れています。このままでは納期に間に合わないため、作業の順番を変更したいです」
と早めに相談します。
これは、上司へ自分をよく見せるための行動ではありません。
上司が状況を理解し、次の判断をしやすくするための行動です。
上司の立場から見れば、何をしているのか分からない部下よりも、進捗や問題点を共有してくれる部下の方が、安心して仕事を任せられます。
その安心感が積み重なれば、
「この人なら任せられる」
「この人の話なら聞いてみよう」
「この人には、次の仕事も経験させたい」
と思ってもらえる可能性があります。
僕が考える「可愛がられる人」とは、上司の機嫌を取る人ではありません。
自分の仕事を正しく伝え、相手が安心して関われる状態を作れる人です。
黙って頑張っていれば、誰かがすべてを見つけてくれるとは限りません。
自分が行った仕事と生み出した成果を、事実に基づいて伝える。
それはごますりではなく、仕事に必要なコミュニケーションです。
評価されるために、自分を曲げる必要はない

真面目に働いているのに評価されないと、
「自分も、忙しそうに見せた方がよいのだろうか」
「長時間残れば、頑張っていると思ってもらえるのだろうか」
と考えてしまうことがあります。
しかし、評価されている人の表面的な行動だけをまねする必要はありません。
必要のない残業をしたり、仕事があるように振る舞ったりしても、本当の成果にはつながりません。
また、「こうすれば評価してくれるんでしょ」という投げやりな姿勢になれば、仕事への責任感や意欲まで失ってしまいます。
変えるべきなのは、自分の仕事への姿勢ではありません。
仕事を伝える方法です。
自分が大切にしている働き方まで曲げる必要はありません。
淡々と仕事を進めることも、効率を考えて定時内に終わらせることも、間違いではないからです。
そのうえで、自分が行ったことと、その結果を伝わる形に変えていきます。
それでも評価されないなら、環境を疑っていい

ここまで、成果を見える形にすることや、上司へ正しく伝えることの大切さを書いてきました。
ただし、伝え方を変えれば必ず評価が上がるわけではありません。
どれだけ成果を出しても、年齢や勤続年数が優先される職場もあります。上司との相性や人間関係によって、評価が左右されることもあるでしょう。
そもそも評価基準が曖昧で、何を頑張れば評価されるのか分からない会社もあります。
そのような環境で評価されないからといって、すべてを自分の努力不足だと考える必要はありません。
評価に納得できない場合は、感情的に不満をぶつける前に、次の点を確認してみてください。
- 自分には、どのような役割が求められているのか
- 評価基準は明確になっているか
- 何を改善すれば、次の評価につながるのか
- 自分の成果は評価者へ伝わっているか
面談では、
「なぜ、僕の評価は低いのですか」
と聞くよりも、
「次の評価を上げるためには、どの部分を改善すればよいですか」
と確認した方が、具体的な答えを得やすくなります。
それでも評価基準が分からない。
成果を伝えても何も変わらない。
仕事よりも人間関係だけで評価が決まっているように感じる。
その状態が長く続くのであれば、異動や転職を考えることも逃げではありません。
評価されるために自分を曲げ続けるよりも、自分の強みや成果を正しく見てもらえる環境を探した方がよい場合もあります。
黙って頑張るだけでは、仕事の成果は伝わらない

僕は、仕事が進んでいないように見える人が評価される姿を見て、会社への不信感を抱きました。
今でも、その評価すべてに納得しているわけではありません。
ただ、その経験から気づいたことがあります。
評価者は、職場で起きているすべてを見ているわけではありません。
どれだけ真面目に働いても、成果や貢献が伝わっていなければ、評価の材料にはなりにくいのです。
必要なのは、忙しそうに見せることでも、上司へ媚びることでもありません。
自分が何を行い、その結果として何が変わったのかを、事実に基づいて伝えることです。
黙って頑張るだけでなく、自分の仕事を正しく見える形にする。
それでも評価されないのであれば、評価制度や働く環境を見直すことも、選択肢に入れてよいと思います。
自分を曲げてまで、評価される必要はありません。
自分の仕事に誇りを持ちながら、まずは伝え方を少し変えてみてください。




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